アイデンティティ/サカナクション

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久々にかっこいいJ-ROCKバンドに出会えた。前回紹介したSuperflyもカッコいいのだけれど、Superflyの場合はどちらかというとボーカルのかっこよさが際立っていた。サカナクションは純粋にバンドとして、しかもJ-ROCKバンドとしてのかっこよさがにじみ出ていると思う。

“カッコいいバンド”の僕なりの基準がいくつかあって、それはPOP/ROCKであろうが、Funk、Jazz、Soulであろうが全てに共通するものだと思っている。それは「楽曲自体の良さ」「個々のパートの個性が上手くにじみ出たアレンジ」「バンドが伝えようとする世界観」、この三つ。

◆楽曲自体の良さ

楽曲は非常に日本的だと思うのだけど、かといって従来の、例えば90年代に席巻したカラオケブーム的な楽曲、の路線を継承しつつ、サカナクションロックに昇華したメロディラインだと思う。例えばAメロの作り方などは非常に特徴があり、単純にメロディアスとか歌謡チックとかそういう言葉で表現できない、どこか陰な雰囲気を醸し出している。

◆アレンジ

サカナクションは完全にボーカルの山口一郎の才能が引っ張って行っているバンドであることは疑いの余地がない。この人はかなり変わった人物だと思っている。各ラジオ番組への出演やUstreamなどを見ていてそう思った。しかし大事な事は才能に溢れたボーカルの山口一郎をさらに際立てるべく、周りのプレイヤーがしっかりと(演奏やアレンジ面で)下支えし、さらに強烈な個性を押し出している事だろう。これはミスチルやスピッツなどにも同様のことが言える。

◆世界観

彼らが表現している世界観はあまり明るいものではない。しかし、特に90年代ヴィジュアル系に見られたような陰鬱な世界観ともまた違う。ありふれたラブソングとも違うし(それは失恋ソングも含む)、ミスチルが登場してからよく語られるようになった「等身大」の歌詞でもなければ、最近流行りの友達ラブ家族ラブな世界観でもない。言葉にするのは難しいが、非常に内向的な世界観だろう。

サカナクションはロックとテクノの融合を目指しているらしい。その影響もあってか、最新アルバム「Documentaly」ではダンスビートがほとんどとなっている。ここは一点不満なところではあるのだが、その感想は非常に個人的なものでありチープなものだ。最新アルバムDocumentalyのファーストトラックであり、シングルでもある「アイデンティティ」を聴いた瞬間に、そんな不満はすぐに忘れられる。

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